わが名を刻む

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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あまい香りを漂わせながら 散りゆくサクラ …

めくるめく春の『生』が あちらこちらで たぎっている そんな中、ワタシは『死』の あとさきを きりもりしていた。

… 思うところあって、両親が檀家になってた寺を抜けることにし、あらたな寺へと、ようやくもって『墓』を求めに至る次第だ。

墓は 三基。 ひとつは 親父とお袋が一緒に入り、ひとつは 若くして逝った三男が入り、いまひとつは ワタシの分。

すっかり時間は かかったが、いろいろ考えてきた末のことであり、これにて お袋も いくらかは 安堵してくれるであろうや。

… もちろん 墓が有ろうが無かろうが、供養する きもちに変わりはないけど、ワタシなりの けじめのようなもののひとつだからして。

ということで、近いうち、自分の墓に わが名を刻むのだ。

 

 

 

 

… お次は、遺言書にでも ゆっくり 手をつけてみようかな、と。

中身は どうにも ちんけだけどね、(笑)。